2024年5月10日金曜日

お借りした休耕田に水を張っていただきました

ゲンゴロウの生息地にお借りした休耕田に地主様が水を張ってくださいました。
取水口から少しずつ水が入っているようで、じわじわと溜まってきたところです。


カエルの声が聞こえてのどかな雰囲気。

畔には草が生え始めていてここからかなりの勢いで成長しそうです。
この休耕田は中山間地域等直接支払制度の対象になっておりまして、いつでも耕作を再開可能な状態にキープしなければなりません。
そして、草刈り等が行き届いていてちゃんと管理されているように見えなければならないのです。

とはいえ、ゲンゴロウが棲むようなビオトープにすることが目的ですので、圃場の中は草を生やす必要があります。

先日、農業委員会に電話しまして、この場所は草が生えていても管理不行き届きによるものではなく、生態研究用に意図的に生やすものであることをご説明いたしました。

結果、工事などで田んぼの形を変えないことと、周囲の草刈りなどをちゃんと行うことが前提であれば特段問題ない旨ご了解いただくことができました。
ひとまず、良かったです。

耕作可能な状態をキープするためには、草刈り以外にも畔の補修などの管理をする必要があります。
畔塗りと言われる作業ですが、やらないとクラックやモグラ穴等から水漏れが発生してしまうようです。
畔塗はYoutubeで探すとやり方を説明している動画がたくさん見つかりますので、勉強になりますが、腰痛持ちの自分にとってはきつそうな作業です。

来週は草刈りや畔塗のために現地入りしますので楽しみです。
きっとカエルの卵やオタマジャクシなどがいるのだろうなぁ。。

2024年3月20日水曜日

休耕田ビオトープの草刈りについて

 休耕田は、単に水を張って放置しておくだけですと、草がボーボーに生えてきて荒地のようになってしまいますので、定期的な草刈りが必要となります。

草刈りのことを一般的には「刈り払い」と呼ぶことが多いようでして、使用する機械は「刈払機」といいます。

休耕田を管理されている農家さんでは、草が生えてくると刈払をされているわけですが、かなりの重労働であるため、農村の高齢化に伴い十分な回数を行えず、苦心されているケースがあります。

そして、刈払が行えなくなると、除草剤を撒いて草が生えなくするようなことも広く行われています。

休耕田の刈払は復田を見据えなければ、その目的は補助金受給や「近所から白い目でみられないこと」となりますので、地主様もなるべく労力をかけたくないんですよね。

農産物を出荷している田畑では、農水省に農薬認定された比較的安全な除草剤が使われますが、休耕田の場合は食の安全性は関係ありませんので、農薬認定されないような強力な除草剤が使われることになるんですね。

ただ、除草剤も結構高価で大量に購入すると費用がかかるということで、休耕田の隅々まで撒くことはできないようです。

平地で作業しやすい場所は刈払を行い、土手などの傾斜地や既に藪になってしまった場所等、刈払作業がしずらいところで除草剤を使うケースが多いものと思われます。

一方で、ゲンゴロウを育むような水田ビオトープは水草を生やすことが必須となりますので、当然ながら除草剤を使うことはできず、専ら刈払での除草作業となります。(ヨシなど田んぼの粘土層を貫通して水漏れを引き起こして草が生えてきてしまった場合は、もしかしたら塗るタイプの除草剤を選択的に使う必要はあるのかもしれませんが、そのことについてはまた別途記事を書こうと思います。)

さて、刈払機は鋭利な歯が高速で回転しますので、チェーンソーと並び扱いに危険が伴うとされている機械でして、安全に取りあつかうための「刈払機取扱作業者」という資格がありまして、刈払機取扱作業者安全衛生教育を受けると資格を受けることができます。

早速、受講してきました。

まずは教科書を使った座学の講習があります。

そして、実際に刈払機を扱う実習もカリキュラムに組み込まれています。

今の時期、まだ寒いですので草は生えていませんが、操作を学ぶ上では支障ありません。

下の写真は実習でお借りした肩掛式刈払機です。


最もメジャーなタイプでして、作業中に転倒などしても刈刃が体に接触しずらく、安全な構造になっています。

下は休耕田の地主様が使用されている背負式刈払機です。
操作桿が自由に振り回しやすいので傾斜地等で便利なタイプです。


刈払機で必要な消耗品としましては、燃料の混合油(ガソリンとエンジンオイルが混ざったものでホームセンター等で購入可能)と替刃がありまして、あらかじめ地主様と相談し、どちらが何を準備するか決めておく必要があります。
刈刃は結構頻繁に交換が必要とのことで、高価なものを選ぶと長持ちするそうです。

5月末くらいになると刈払が必要なくらい草が伸びてくるそうですので、頑張ろうと思います。


2024年3月16日土曜日

休耕田をお借りできることになりました

 ゲンゴロウ池をお借りしている現地で、新たに休耕田をお借りできることになりましたので、今年は休耕田ビオトープに挑戦しようと思っています。

現地は、山間にある谷津田です。

現地入りする直前に雪が降りまして、周囲が雪に覆われています。

地主様は現地の協力者の方からご紹介いただきました。

ぽっと来たよそ者に土地を貸す人は少ないと思いますので、やはり人づてで紹介いただくというのがとても大切だと思います。つまりは、休耕田をお借り受けする機会を得るためには、事前に現地で人脈を作ることがポイントとなるのですね。

この休耕田は、もう20年間程も耕作は行われていないとのことですが、草刈りがされて綺麗な状態が維持されています。

農家の方が休耕田を綺麗に維持する動機については、下記の論文に詳しいですが、

  1. 「中山間地域等直接支払制度」等の補助金の対象から外れないようにする
  2. 景観が悪くなったり害虫が発生したりなどにより近所に迷惑が掛からないようにする

となっております。

_pdf (jst.go.jp)

休耕田をお借りしてゲンゴロウが繁殖できるような環境を作り出すためには、圃場内に水草を生やすことが必須となります。

休耕田に草が生えている状態になった場合、行政からは管理不行き届きで補助金対象から除外すべき対象に見えてしまう懸念がありますし、ご近所様からは荒廃した害虫の発生源と見えてしまう懸念があります。

従いまして、休耕田ビオトープを運営するためには、この休耕田が管理不行き届きではなく、環境保全のために意図的に水草を生やしている場所であることを周知する必要がありまして、ご近所様向けには看板等で目立つように掲示したり、また、行政向けには現地でそのような取り組みを行っていることを予め伝えておくことなどが必要となります。

関係者から出そうな懸念点に対して予め先手を打って対策を考え、地主様にご説明、ご納得いただくことでやっと休耕田をお借りしてビオトープを造ることができるんですね。

行政と話ができるような方とパイプを作っておくこともとても大事と思います。

今回、地主様や地元活性化に取り組んでおられる方等に多々ご協力頂きまして、なんとか休耕田をお借りできることになりました。

また、地元の生態系の保全が目的であり、我々の方もボランティアでやっている旨を地主様がご理解下さいまして、賃料といいますか、謝礼の方もかなり低額でお受頂くことができました。

ここまでかなりのスピードで進捗しておりますので、ご協力いただいています関係者の皆様には、本当に頭が上がらない思いです。。


2024年2月18日日曜日

2024年2月室内にゲンゴロウ水槽を置きました

 うちではゲンゴロウをベランダの水槽で飼っております。

一応、世代別にも管理しておりまして、こちら2021年に生まれた個体を飼育している水槽です。

もう三歳ですので、そろそろ寿命。今年は繁殖には使いませんので余生は室内水槽で過ごしてもらうことにしました。


水草がもじゃもじゃで結構汚いです。


生き残りは3匹。全部メスでした。
ゲンゴロウもメスのほうが長生きするのですかね。


水槽やフィルタ、照明等は5年以上前に購入してベランダに衣装ケースに長らく放置してあったものをかき集めました。
長く生き物を飼っていると特段何も買わなくても必要な機材を探せば見つかるのがいいですよね。


セットアップしてみると照明が青い。。
色を変化させられるLEDライトなのですが、LEDの赤ランプが少し弱割っているようです。

ゲンゴロウが休めるように茶こしを入れてあげました。

水槽は仕事部屋に置いてあります。
仕事中に眺めて癒されようと思います。




2024年2月4日日曜日

ゲンゴロウ池冬の様子

 10月にゲンゴロウ池をお借りして以来、3カ月ぶりに様子を見に行ってきました。

池はガッチガチに凍っておりました。


こんな氷の下でゲンゴロウが冬眠しているのでしょうか。
長期間にわたり呼吸ができない可能性がありますが、大丈夫なのでしょうか?

池にはお父さん(地主様)が入れてくださった発泡スチロールの箱があります。
きっとゲンゴロウはこの下に違いありません。


発泡スチロールを陸揚げして下を探しましたが、ゲンゴロウの姿はありませんでした。
水中カメラで池の底を撮影してみることに。


結構長いこと撮影を試みましたが、ゲンゴロウは水中カメラに映りませんでした。
落ち葉の下にいるのか??

最後の手段は、氷を割ってのガサガサです。
棒で叩いて氷を割ります。

厚さ3cmくらいありまして、重たい棒じゃないと割れません。
かといって80Kgの重さには耐えられないようでして、私が乗って歩けるほどの強度はございません。

氷が割れたらタモ網で掬い出します。
結構重いです。
網が破れないように気を遣いながらの作業になります。



さて、ガサガサ開始です。


最初に出会ったのは、ミズカマキリ。


そして、マツモムシ。
寄り過ぎてピントが合いませんでした。


オオコオイムシ


クロゲンゴロウとアカガエル。
同時にキャッチしました。
アカガエルも氷の下で冬眠するんですね。
カエルの場合は皮膚呼吸もありますので、氷の下に閉ざされても水面に出れなくなっても困らないのでしょうね。


ホトケドジョウ。
10月に別の池で捕獲してこの池に放ったものが捕まったのだと思います。
なんせ、ここは元鯉池ですので小魚類は全て捕食されてしまって棲息しておりません。


ムラサキトビケラの幼虫。
水中ミノムシのような印象です。
よく見ると水底にたくさんいます。寒くても結構活発に動くみたいです。


2日間トータルで3時間くらいはガサガサしたのですが、遂にホンゲンゴロウを見つけることはできませんでした。
10月にはあんなにたくさんいたのに。。

池の最も深くて絶対に凍らない場所で集団越冬しているのか、あるいは10月に鯉の餌がもらえなくなった時点で飛び去ってしまったのかいずれかだと思います。

飼育下ではお腹が減ってもそんなにすぐに飛んで逃げるような印象は無いのですが、野外ですぐに飛び去ったのだとしたら、思った以上にフットワークの軽い昆虫だということですね。

春になったらまた行って探索してみようと思います。

動画も作成しましたので是非ご覧ください。

2024年1月10日水曜日

捕獲したイノシシをお肉にしました!

 一昨日、箱罠に入ったイノシシの続編です。

昨日の朝に捕獲に現地入りしたところ、やはり3頭捕まっていました。

山の神様に感謝!

頂いた命は無駄にせず、美味しくいただきます。


同行頂いた先輩に猟銃で仕留めていただきまして、作業場まで運びました。
1頭40kgくらいの重さがありましたので、たった数十メートル運ぶのも一苦労。
腰が痛くなりました。

3頭分ですので、解体にかなりの時間がかかりましたが、無事お肉にすることができました。
作業開始時には、まさに死体なのであり食欲など掻き立てられないのですが15分も作業すればお肉に見えてきます。
30分間も経てば、もう完全に食べ物。
自分の中で作業中に急激に死体から食べ物に認識が変わっていくのは何回やっても不思議な感覚です。

解体が終わった後、作業したメンバーでお肉を分けるのは楽しいひと時です。
かなりの肉の量ですので、持参したクーラーボックスに入りきらないくらいの分け前がありました。ざっと20kgくらいか。。


作業速度優先のため、リブにロースがついた感じで切り分けられていました。
リブから大きめの可食部を剥がしたところ。
背ロースとカルビが混ざっています。


こちら、モモ肉。
プリップリでおいしそうです。

自分はどの部位もステーキにして食べることが多いです。
そのうちレシピなどご紹介したいと思います。

上の2枚の写真はほんの一部でして、不要な部分をそぎ落としても15kgくらいはありそうなお肉の山。
自分専用のジビエ用冷凍庫でしばし保管。



今日はここまで。
今度、調理についてご紹介します。



2024年1月8日月曜日

イノシシ捕獲を捕獲しました!

私、2022年に狩猟免許を取得しまして、関東近県で先輩方に教えを頂きながら罠猟をやらせて頂いております。
罠には2種類ありまして、一つはくくり罠、もう一つは箱罠ですね。


上の写真は箱罠になります。
箱内の糸に体が引っ掛かると扉が閉まる仕組みです。
餌には、米ぬかを使っておりまして、精米所の裏側等で頂くことができます。


そして、こんな監視カメラで箱罠を常時監視しています。
赤外線センサーと通信機能がついておりまして、獣がセンサーの検知範囲にはいってくると動画がメールで送られてくるようになっています。
これ、HykeCamといやつで結構お高いのですが、本当に優れものです。
外付けのバッテリーを使うと半年くらい電池切れせんし。。
最近は個人に売ってくれないようです。


付近にはイノシシの糞が落ちています。
近くにお住まいの農家様もひどい獣害でお困りのようです。


最近、イノシシが凄く増えているようなのですね。
一昨日に箱罠をセットしたばかりなのですが、先ほどイノシシが捕まった映像が監視カメラから送られてきました。


なんと、3頭も入っているようです!
一度に複数頭が入ったのは初めてです。
明日の朝、先輩方と待ち合わせて処理に行こうと思います。

お借りした休耕田に水を張っていただきました

ゲンゴロウの生息地にお借りした休耕田に地主様が水を張ってくださいました。 取水口から少しずつ水が入っているようで、じわじわと溜まってきたところです。 カエルの声が聞こえてのどかな雰囲気。 畔には草が生え始めていてここからかなりの勢いで成長しそうです。 この休耕田は中山間地域...