※本稿は確定稿ではなく、最新の情報でアップデートされます。
休耕田ビオトープで草刈が必要な理由
休耕田ビオトープにおいて草刈りが必要な理由は、主に以下の3点に集約されます。
- 助成金の対象から外れないようにするため
- 近隣住民から管理不十分と見なされないようにするため
- 水域が陸地化しないように維持するため
休耕田は、たとえ実際に耕作されていなくても、農地として適切に管理されていれば、「中山間地域等直接支払制度」などの助成金の対象となる場合があります。
この場合、草刈りの実施は農地としての管理状態を示す重要な要件となるため、特に役所による監査が行われる夏の終わり頃には、確実に草刈りを済ませておく必要があります。
また、丈の高い草が生い茂った状態では、周囲から「管理が行き届いていない」と見なされる可能性があり、地主様が近所で肩身の狭い思いをする原因にもなりかねません。
そのため、見た目の印象にも配慮し、外観をきれいに保つことが重要です。
さらに、ゲンゴロウのような水棲生物を育む水田型ビオトープでは、水草の繁茂が必要不可欠であるため、当然ながら除草剤の使用はできません。
そのため除草は基本的に刈払機などによる手作業となり、夏場の草の生育が盛んな時期(6月初旬~9月初旬)には、3回〜4回程度の草刈りが必要になるのが一般的です。
刈払機と消耗品について
草刈りに使用する刈払機は、1台あたり数万円と、決して高価なものではありません。地域や関係性にもよりますが、地主様に相談すればお借りできることも多いと思います。
特に山間部の地主様であれば、刈払機は生活の必需品であり、一家に一台というより複数台を所有しているケースも珍しくありません。
刈払機の使用にあたっては、いくつかの消耗品が必要になります。代表的なものは、以下の2つです。
- 混合燃料(ガソリンと2ストローク用エンジンオイルの混合)
- 替刃:摩耗や破損に備えて交換が必要
これらの消耗品については、ホームセンターなどで購入することができますが、あらかじめ地主様と「どちらが負担するか」を相談しておくとスムーズです。
ちなみに私たちのグループでは、刈払機を地主様にお借りし、燃料もご用意いただき、私たちが替刃を持参するという形で作業を行っています。
替刃は価格によって性能に差があるとも言われますが、Amazonなどで販売されている10枚で3,000円程度の安価なものでも、問題なく草刈りは可能です。
刈払機の取り扱いには注意が必要です
刈払機は鋭利な刃が高速で回転する危険な機械であり、チェーンソーと並んで事故が多い工具の一つとされています。実際に重大なケガを伴う事故も発生しています。
「刈払機取扱作業者」資格について
刈払機を安全に使用するために、「刈払機取扱作業者安全衛生教育」という講習制度があり、修了すると刈払機取扱作業者の資格を得ることができます。
この資格は以下のように扱われます:
- 個人が自分のために草刈りを行う場合には、資格は不要です。
- 一方、事業者が作業者に刈払機を使わせる場合には、この資格を取得させることが法的に義務づけられています。
教育の目的:
- 刈払機の危険性や安全な使用方法、事故防止対策などを習得させること
- 振動障害など、刈払機使用による労働災害を防止すること
- 作業者の安全意識を高め、安全な作業を徹底させること
教育内容:
- 刈払機に関する知識(構造、種類、特徴など)
- 刈払機を使用する作業に関する知識(作業方法、点検、整備、保護具の使用など)
- 振動障害とその予防に関する知識
- 関係法令
- 実技(刈払機の作業、点検、整備など)
費用:
受講申込:
インターネットで「刈払機取扱作業者 講習」などと検索すれば、各地の講習会情報が見つかります。予約もオンラインで可能です。
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