休耕田は、単に水を張って放置しておくだけですと、草がボーボーに生えてきて荒地のようになってしまいますので、定期的な草刈りが必要となります。
草刈りのことを一般的には「刈り払い」と呼ぶことが多いようでして、使用する機械は「刈払機」といいます。
休耕田を管理されている農家さんでは、草が生えてくると刈払をされているわけですが、かなりの重労働であるため、農村の高齢化に伴い十分な回数を行えず、苦心されているケースがあります。
そして、刈払が行えなくなると、除草剤を撒いて草が生えなくするようなことも広く行われています。
休耕田の刈払は復田を見据えなければ、その目的は補助金受給や「近所から白い目でみられないこと」となりますので、地主様もなるべく労力をかけたくないんですよね。
農産物を出荷している田畑では、農水省に農薬認定された比較的安全な除草剤が使われますが、休耕田の場合は食の安全性は関係ありませんので、農薬認定されないような強力な除草剤が使われることになるんですね。
ただ、除草剤も結構高価で大量に購入すると費用がかかるということで、休耕田の隅々まで撒くことはできないようです。
平地で作業しやすい場所は刈払を行い、土手などの傾斜地や既に藪になってしまった場所等、刈払作業がしずらいところで除草剤を使うケースが多いものと思われます。
一方で、ゲンゴロウを育むような水田ビオトープは水草を生やすことが必須となりますので、当然ながら除草剤を使うことはできず、専ら刈払での除草作業となります。(ヨシなど田んぼの粘土層を貫通して水漏れを引き起こして草が生えてきてしまった場合は、もしかしたら塗るタイプの除草剤を選択的に使う必要はあるのかもしれませんが、そのことについてはまた別途記事を書こうと思います。)
さて、刈払機は鋭利な歯が高速で回転しますので、チェーンソーと並び扱いに危険が伴うとされている機械でして、安全に取りあつかうための「刈払機取扱作業者」という資格がありまして、刈払機取扱作業者安全衛生教育を受けると資格を受けることができます。
早速、受講してきました。
まずは教科書を使った座学の講習があります。
そして、実際に刈払機を扱う実習もカリキュラムに組み込まれています。
今の時期、まだ寒いですので草は生えていませんが、操作を学ぶ上では支障ありません。
下の写真は実習でお借りした肩掛式刈払機です。
最もメジャーなタイプでして、作業中に転倒などしても刈刃が体に接触しずらく、安全な構造になっています。
刈払機で必要な消耗品としましては、燃料の混合油(ガソリンとエンジンオイルが混ざったものでホームセンター等で購入可能)と替刃がありまして、あらかじめ地主様と相談し、どちらが何を準備するか決めておく必要があります。
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