ビオトープ用ソーラーシステム まとめ

2025年8月3日日曜日

休耕田ビオトープ

t f B! P L

※本稿は最終稿ではなく、適宜最新の情報でアップデートされます。

休耕田ビオトープなど屋外でストリーミングカメラなどを設置して遠隔から観察する場合、ソーラーパネルとバッテリーによる給電が必要です。

給電を昼間だけ行う理由 

谷津や山間の休耕田の場合、周囲の林に囲まれているため木に日光が遮られ、十分な日照時間が確保できない場合があります。

日照不足によりバッテリーの充電ができないと、ストリーミングカメラなどが起動できなくなってしまいますので、夜間などカメラを使用しない時間帯は給電を止めて節電する必要があります。

市販品のシステムがそのまま使えない理由 

市販のソーラー給電システムで設定可能なモードは多くの場合、下記2つです。

  • 24時間給電する
  • 日没後~時間給電する

夜間にライトを点けるなど、夜間の使用を前提とした機能構成になっているのですね。

そのため、昼間だけ給電したい場合は、自分で仕組を考える必要があります。

必要な機器

ソーラーパネル

太陽光で発電するための装置です。

選び方としては、下記のような仕様のものが使い易いと思います。

  • 定格電圧:12V
  • 防水防塵:IP65以上
  • 電力:100W

ソーラーパネルは、有象無象の中国メーカーと製品が市場を席巻しており、商品やメーカーの栄枯盛衰が激しいです。Amazonなどで比較的評価が高いものを選ぶようにしましょう。

ソーラーチャージャーコントローラ

充放電のコントロールを上手くやってくれる便利機器です。

12Vシステム対応品であれば問題ないと思いますが、ソーラーパネルとセットになっている製品を購入すると間違いが無いと思います。

一応、日没から何時間給電する、というような設定ができるようになっている製品もあるのですが、日中だけ使用したい場合にはその機能は役に立ちませんので、最低限の機能として24時間給電するようなモードがあれば問題ないと思います。

カーバッテリー

定格電圧が12Vのカーバッテリーならば何でもよいと思います。

自分はパナソニックの「N-40B19L」を使用しています。

光センサーリレー

周囲の明るさをモニタし、日出とともにスイッチOFF、日没とともにスイッチONするモジュールです。「フォトレジスタライトコントロールリレー」などという製品名で売られている場合があります。

日出ではなく日没をスイッチONとして扱うのは、夜間に照明を灯すような使い方が基本だからだと思われますが、リレーですので繋ぐ端子を逆にすれば日出をONとして使うことも可能です。

自分は「XH-M131」という型番のモジュールを使っています。

タイマーリレー

これは、トリガースイッチの検知後、設定された一定時間だけ給電を開始または停止することができるモジュールです。

前述の光センサーリレーは非常に便利な機器ですが、夕暮れ時など明るさがON/OFFの境界にある時間帯には、ON/OFFの切り替えを短時間に繰り返すことがあります。

この動作により、昇降圧機など給電先の機器に突入電流(起動時に一時的に流れる大きな電流)を発生させ、故障を引き起こすことがあります。

そこで、光センサーリレーと昇降圧機など給電先機器の間に、突入電流の影響を受けない「タイマーリレー」を挟むことで、システムの安定性を高めることが可能です。

自分は「XY-LJ02」という型番のモジュールを使っています。

昇降圧コンバータ

カーバッテリーの定格電圧は12Vですが、ストリーミングカメラや給餌機などを実装するためのマイコン(RaspberryPi)は5V動作ですので、昇降圧機の降圧機能により電圧を落とす必要があります。

自分は「HW-140」という型番のモジュールを使っています。

接続方法

各機器やモジュールの接続方法を下図にまとめました。

設定方法

ソーラーチャージャーコントローラ

24時間給電できるよう設定します。

光センサーリレー

「XH-M131」の設定は以下の図の赤枠の部分(トリマー)をプラスドライバで回すことにより、どのくらいの明るさでリレーON/OFFするかを設定します。

トリマーは右(時計回り)に回すと感度が低くなり、左に回すと感度が高くなりますので、日没直後くらいの明るさでちょうどON/OFFが切り替わるように設定すると良いと思います。

  • 暗い状態ではリレーはONになり、NOとGRN(-)が通電します。
  • 明るい状態では、リレーはOFFになり、NCとGRN(-)が通電します。

タイマーリレー

「XY-LJ02」の設定は下記の通りにします。

モード:P1
トリガーがONになるとOPで設定した時間だけNOとGRN(-)が通電します。一度リレーONになると途中でトリガーが何回ON/OFFされてもリレーONの状態をキープします。 

OP:0840(オープン時間を840分間(14時間)に設定)
光センサーリレーが朝5時にリレーOFFになったとすると、直後にタイマーリレーがONになり、14時間後の19時頃にタイマーリレーがOFFになります。

昇降圧コンバータ

出力電力でRaspberryPiを動作させる場合は、5Vになるよう設定します。

「HW-140」の設定は、下図赤枠の部分(トリマー)を右(時計回り)に回すと出力電圧が高くなり、左に回すと出力電圧が低くなります。

下図黄枠の部分のON/OFFスイッチを長押しすると、通電時にデフォルトで出力ONにするか出力OFFにするかを切り替えることができます。→デフォルトで出力がONになるよう設定しておきます。

設置について

カーバッテリー、機器、モジュールは密閉性が高い収納ボックスに格納し、ケーブルを通す穴などは防水パテなどで埋めて、雨が入らないようにします。




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ゲンゴロウ好きのシステムエンジニアです。棲息地にゲンゴロウ池を借りリモート観察の仕組みを構築/休耕田をビオトープ に帰る取り組み実施中/NPアです。棲息地にゲンゴロウ池を借りリモート観察の仕組みを構築/休耕田をビオトープ に帰る取り組み実施中/PMP/Xのアカウント:@chigoro_2024

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