金魚の色揚げ まとめ

2025年8月1日金曜日

金魚

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※本稿は確定稿ではなく、最新の情報でアップデートされます。

 室内で金魚を飼うと色が薄くなる

我が家では紅白の鮒尾更紗和金を飼育しています。

金魚を室内で飼育していていると、赤い部分がだんだんと色褪せてしまい、オレンジ色やほとんど白に近い色になってしまうことがあります。

金魚の色が薄くなってくると、「病気ではないか」と心配になることもあると思いますが、実はちゃんとした理由があり、それを理解したうえで適切な対策をとれば、元の鮮やかな色に戻すことも可能です。

金魚の色が薄くなる原因

紅白金魚の場合、色落ちの原因は大きく2つあります。

カロテノイド色素が不足している

カロテノイド色素は、自然界に広く存在する赤・橙・黄系の色素の総称です。金魚をはじめとする多くの生物に見られ、野菜や果物の鮮やかな色も、この色素に由来しています。

カロテノイドは体内で合成できないため、主に餌から摂取する必要があります。そのため、与えている餌の内容によっては、必要な量のカロテノイドが不足している可能性があります。

メラニン色素が不足している

メラニン色素は、黒色や褐色を呈する色素で、さまざまな生物に見られます。人間では主に髪や皮膚の色に関与しており、日本人の黒髪は特にメラミン色素の内、ユーメラミンを多く含んでいます。また、ユーメラミンには紫外線から肌や髪を保護する働きもあります。

ユーメラニンは、紫外線を浴びることで生成が促進されるため、日照が不足する室内で飼育している金魚は、メラニン色素が不足している可能性があります。

金魚の色を濃くする方法

金魚の色を濃く保つためには、カロテノイド色素とメラニン色素の両方を増やす工夫が必要です。
どちらか一方だけでは、十分な発色が得られないこともあるため、市販の色揚げ用の餌を与えながら、日光の当たる屋外で飼育するなど、両方の対策をとることで色を濃くできる可能性が高くなります。
とはいえ、どうしても室内で鑑賞したい場合もあると思います。その場合は、金魚を「屋外組」と「室内組」に分け、一定期間ごとに入れ替えるローテーション飼育を行うことでいつも綺麗な色の金魚を鑑賞することができます。

活エビは効果有り

私の経験では、金魚の色が最も濃くなったのは、ミナミヌマエビが自然に湧く自宅のベランダにある水槽で飼育した時でした。
エビなどの甲殻類はカロテノイド色素を多く含んでいます。金魚がエビを食べることで、体内にカロテノイドが豊富に取り込まれ、発色が良くなったのでしょう。また、ベランダにある水槽は日照は十分確保できるので、メラミンの生成も促進されます。
この方法で飼育するためには、まずミナミヌマエビが自然に増えるような環境づくりが必要ですので、少し準備は要りますが、その分しっかりと効果が期待できます。
金魚の色揚げに興味のある方は、ぜひ試してみてください。

■Before
 
■After
 

照明によって色の見え方が違う

自室で金魚を鑑賞する際には、照明も大切な要素です。特に金魚の赤い色を美しく見せるためには、照明に赤い波長の光が含まれている必要があります。

現在、照明にはLEDライトが広く使われていますが、同じ「白色」に見えるLEDライトにも大きく分けて2種類あります:
  1. 青色LEDと黄色の蛍光体を組み合わせて白色光を作るタイプ
  2. 赤・緑・青の3原色LED(RGB)を組み合わせて白色光を作るタイプ
どちらのLEDも人間の目には「白く」見えますが、実際に物体に当たって反射した光を見ると、その色の見え方には大きな違いが生じます。

たとえば赤い金魚に1の光を当てると、赤の成分が少ないために色が薄く、どこか冴えない印象になります。これに対して2の光を当てると、赤の波長がしっかり含まれているため、金魚の赤が鮮やかに映えます。

室内で金魚をより美しく鑑賞したい場合は、RGBの3原色LEDを使用した照明を選ぶことをおすすめします。






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ゲンゴロウ好きのシステムエンジニアです。棲息地にゲンゴロウ池を借りリモート観察の仕組みを構築/休耕田をビオトープ に帰る取り組み実施中/NPアです。棲息地にゲンゴロウ池を借りリモート観察の仕組みを構築/休耕田をビオトープ に帰る取り組み実施中/PMP/Xのアカウント:@chigoro_2024

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